タレントプール「枯渇」からの脱却 ─ エグゼクティブ人材との出会いを創出したAsobicaの「XAION HR」活用法
XAION HR導入の背景と理由
課題
既存プラットフォーム依存によるタレントプールの枯渇/採用コスト・工数の高騰とアプローチ制限
決め手
外資系経験者・ハイレイヤー人材の豊富さ/オープンソースを活用した「バイネーム(指名)」でのアプローチが可能
効果
実名・アウトプット起点での効率的なエンジニアスカウト/自社主導の「内製ヘッドハント」体制の確立
「遊びのような熱狂で、世界を彩る」というミッションを掲げ、生活者の本音(ゼロパーティデータ)とAIを起点に、あらゆるCXを改善するプラットフォーム「coorum(コーラム)」などを展開する株式会社Asobica。さらなる事業成長に向けて、同社が採用で直面したのは、従来の採用プラットフォームに依存することによるタレントプールの枯渇という課題でした。
今回は、同社で採用を担うピープル&コミュニケーション本部 タレントアクイジショングループ マネージャーの川岸耕大様と、同グループでプロダクトサイド採用および人事企画を兼務する永井杏享様に、次世代型AIタレント検索エンジン「XAION HR」導入の背景や決め手、活用の工夫、そして得られた成果について伺いました。
閉じた媒体では届かない。タレントプール「枯渇」からの脱却
── まず、お二人の役割と担当領域を教えてください。
川岸:タレントアクイジショングループのマネージャーの川岸と申します。グループのメンバーマネジメントに加えて、ビジネスサイドのメンバー層の採用、そして本部長以上のビジネスサイドのエグゼクティブ層の採用を担当しています。
永井:私も同じタレントアクイジショングループで、プロダクトサイドの採用をメインに担当しています。直近まではシニアクラスの採用も担当していました。今年の2月からは人事企画も兼務しており、採用と企画の両方を担っています。
── XAION HR導入前は、どのような採用活動を行っていましたか?
川岸:大枠は今も変わっていないのですが、エージェント・スカウト媒体・リファラルという3つを主な採用手段の柱としていました。何かに限定することなく、Asobicaに合いそうな方がいらっしゃれば、いずれかの手法で採用活動を行ってきました。
──どういった課題感から、XAION HRの導入を検討し始めたのでしょうか。
川岸:タレントプールに限界がある、と感じたのが一番最初のきっかけでした。導入前は既存のスカウト媒体をメインに活用していました。しかし、そうした媒体には波もあり、スカウトを打ち切るとしばらくの間は新たな採用候補者と出会えない、という状況に陥りがちです。プラットフォームの特性上、致し方ないとはいえ、もうスカウトを送る相手が見つからない、という状況が続いていました。
ただ、スタートアップは特に人材が事業成長のエンジンになるので、採用を鈍化させるのは致命的です。あらゆる手段を講じて、採用し続けなければいけません。
そうなったときに、もっと広く探せる媒体や、お名前もしくは企業名を入れたら、その企業のメンバーが出てくる媒体がないか、と探していて、XAION HRを見つけました。

「プロフィールの濃さ」と「外資人材の発見のしやすさ」が決め手に
──新たな採用媒体を探す際に、こだわったポイントはあったのでしょうか?
川岸:大きく2つありました。1つはプロフィールがきちんと書いてあること。既存の媒体では、候補者の方のプロフィール内容が薄いことが多く、「どうやってスカウトメールを送ればいいんだろう」となってしまうケースが多かったんです。
特にスクラム採用(※1)で現場がスカウトを打つとなると、採用に大きなリソースを割くことは難しく、プロフィールの内容が薄ければ「スカウトを打たない」という判断になってしまいます。そのため、プロフィールがきちんと書いてあることは重要なポイントでした。
もう1つは、プラットフォームに閉じずに検索ができるかどうかです。特定の媒体でしか探せないとなると結局そのプラットフォームに依存してしまうので、インターネット上にあるオープンソースから引っ張ってこられるかどうか、にこだわっていました。1年半前に課題感を持って検討し始めたのですが、「こういう手段もあるんだ」と探し始めたのがきっかけでしたね。
※1スクラム採用は株式会社HERPの登録商標です。
── 比較検討する中で、最終的にXAION HRに決めた決め手は何でしたか?
川岸:実は、最初に商談してから半年ほど時間が経ってしまっていたんです。話を聞いて「すごくいいな」と思いつつ、予算の兼ね合いや「本当にこれでいいんだっけ」というところが定まらず、半年は既存の手法を続けていました。ただ、その後も母集団の枯渇感はやはり否めなくて。
社内でも外資系のマチュリティ(成熟度)の高い方の採用も強化したい、というニーズが高まってきた頃に、XAION HRでは外資での経験がある日本人の方をたくさん集められているという話を聞き、それが導入の決め手の1つになりました。
永井:私もSNSの投稿でXAION HRを見ていて、気になっていました。プロダクトサイドの採用、特にエンジニア採用では既存の採用媒体も使っていたのですが、なかなか採用のコストや工数が高くなってしまっている状態が続いていたんです。それに加えて、一部の媒体は月1回しかアプローチできないので、定常的にアプローチし続けられないという課題もありました。
一方でエンジニアは、名前を出して登壇している方やテックブログを書いている方が多いので、そういった方々にダイレクトにバイネームでアプローチしていく方法はどうかと考えていました。そこにXAION HRがすごくマッチしていたんです。
川岸:エグゼクティブ層はスカウトを打っても興味を持ってもらえないことが多いです。バイネームでピックアップして、その人が持っていそうなSNSなどでどれだけアプローチをかけられるかという勝負ですね。
その点、XAION HRではバイネームでピックしたあと、そこから既存の媒体で同じ経歴の同一人物を探しに行ったり、SNSを見つけてアプローチしたりできます。バイネームでピックできるのは、エグゼクティブ層の採用をしていく上で導入の決め手になりました。
バイネームで狙い撃つ。社名で絞り、あらゆる手段でアプローチ
──実際にどのような方と出会えていますか。また、活用する上で工夫されたポイントはありますか?
川岸:ビジネスサイドはハイレイヤーの方がやはり多い印象です。狙っていたのが外資出身の方だったので、今までアプローチできなかった層や企業群へのアプローチがすごくできたなという印象があります。
工夫した点としては、ビジネスサイドは社名でかなり絞りに行くことです。
「こういう経験値の人」という要件で集めてもなかなかヒットしなかったり、面接が進んでもうまくいかなかったりすることが今までは多かったので、明確に「この企業」という形で特定の方にアプローチできるのは良かったです。社内で「元○○社の人は活躍している」という知見があったので、その企業出身の方たちにアプローチするようにしました。
永井:一人見つけたら、その人のあらゆるSNSをすべて見て、あらゆる手段でアプローチします。当社はリテーナー契約をしているエージェントもいるので、「この人がいい」という情報を全部渡して、網羅的にアプローチしてもらう。自分たちだけでなく周りのエージェントも巻き込むのは工夫したポイントです。しつこいと思われるかもしれませんが、それぐらいやらないと興味を持ってもらえないんです。
──プロダクトサイドの採用では、XAION HRを使ってみていかがでしたか?
永井:テックブログを書いている方で、実名を出さずハンドルネームで、Xだけは明かしているような方もいます。そういった方の名前がフルネームでわかって見つけられるのが便利です。従来の採用媒体だと名前がわからないので、登録していても気付けないこともあるのですが、XAION HRは色々なデータが見られるので「こっちにもいらっしゃるんだ」というのがわかります。アプローチの手法が増えたのは助かりました。
特にエンジニアは、社外にアウトプットを出しているタレントが歓迎されるので、そういう方を探しに行く方法がちゃんと見つけられました。

いまのAsobicaに飛び込む「3つの面白さ」
── Asobicaさんが求める人物像について教えてください。
永井:「アンラーンできる方」です。直近はハイレイヤーやエグゼクティブの採用がメインなので、成功体験があってもご自分のやり方に固執しているような方だと少し難しい印象があります。ビジネスサイド・プロダクトサイド問わず、常にアップデートし続けられたり、これまでの成功体験を捨ててでも新しいことにチャレンジできたりする方とぜひご一緒したいです。
川岸:よく「躊躇なくコップの水をこぼせるか」という話をしています。成功体験を積めば、自分のコップにナレッジという水が溜まる。でもそれは自社では通用しても他社では通用しなかったり、時代の変化の中で必ず変わりゆくものです。その変化のスピードが速くなっている時代に、1年前は再現性が高かった水が今では全く使えないなんてことはざらに起きます。だからこそ、躊躇なく水を捨ててゼロから始めるぐらいの勢いで取り組まれる方はフィットしやすいです。こういったマインドセットは、これから新しい市場を作っていく会社として、なおさら重要視しています。
加えて、チームで事を成せるか、自責で物事を考えられるか、知的好奇心が豊富かどうかも見ています。当社はカルチャー面を重要視している会社なので、お互いにマッチするかどうかを見させていただいていますし、求職者の方にも面接・面談でカルチャーを開示して、Asobicaがマッチするかを見極めていただくようにしています。
── このフェーズのAsobicaに飛び込む面白さは、どこにあると思いますか?
川岸:大きく3つあると思います。1つ目は、産業構造を変える未開拓の大きなテーマに挑めること。「遊びのような熱狂で、世界を彩る」というミッションのもと、メーカーや小売りといったトラディショナルなオフライン企業に対して、生活者の声を起点にマーケティング開発・商品開発、さらに販売までつなぐことに挑戦しています。まだ未解決で市場も大きいテーマなので、手触り感を持っていただきやすい環境です。
2つ目は、急成長フェーズだからこそ課題=成長機会が多いこと。整いきっていない領域だからこそ伸びしろも多く、自分たちで整えて伸ばしていける面白さがあります。
3つ目はカルチャーです。「全員でAsobicaという船を作って漕いでいく」というカルチャーがあるので、裁量や当事者意識が前提にあります。役割を超えた活躍も歓迎されているため、裁量と責任を自分で取りに行くほど、できる仕事の幅が広がっていく会社です。
永井:プロダクトサイドも直近大掛かりなことをやっています。通常プロダクトはミニマムに作って検証して広げていきますが、当社はまず理想を全部描ききって、そこから引き算をしていくという従来とは異なる思想のアプローチをしています。
また、エンジニアでもフロントエンドだけ・バックエンドだけという区切りではなく、いろんな領域に自ら染み出していける環境があります。例えばVPoTの方は入社時はインフラエンジニアでしたが、最近ではデータエンジニアもこなしています。「それはあなたの仕事じゃない」と止めるのではなく、必要であれば自分から手を挙げてチャレンジすることを歓迎する会社だからこそできる経験です。

「自社でヘッドハント」する時代へ。検索ボリュームへの期待
──今後の採用方針について教えてください。
川岸:常に心がけているのは、既存のやり方だけにとらわれないということです。やり方にとらわれても、結局は他社とのパイの争いでしかなくなってしまう。もちろん今までの取り組みもやりつつ、抜本的に何かを改善できないかというところは、これからも常に念頭に置きながら採用活動をしていきたいです。
──XAION HRへの今後の期待をお聞かせください。
川岸:検索できる最大人数は常に更新し続けてくださっていると思いますが、これからもどんどん更新し続けてほしいですね。検索できるボリュームの多さがXAION HRの一番の強みだと思うので、希望でいうと今の2倍3倍のスピードでやっていってもらえると嬉しいです。
永井:エンジニアツールの検索ができるようになっていますが、「こういう条件の人がこういうテックブログを書いています」といったデータが出てくると、より効率的にアプローチできるなと。今は手作業でAIにZennを調べさせて、ブログを書いている人を出してもらい、そこからXAION HRにアカウントを入れて「この人はどういう方なのか」を調べています。そこまでXAION HR上で完結できると、すごく助かります。
──最後にXAION HRの活用をおすすめしたい企業へのメッセージをお願いします!
川岸:既存媒体をぐるぐる回して疲れきっている企業こそ、まず一度活用してみるといいと思います。スカウトを送らないと母集団形成はできないのに、送れる人がいない。これは採用担当からすると詰みの状況なんですよね。ほとんどの企業が経験する課題なのではないでしょうか。
そして、エグゼクティブ層へのアプローチはヘッドハントに限ります。これまではヘッドハンターの企業に任せる形でしたが、その場合着手金や成果報酬も発生しますし、採用担当が自らやっていくほうがあらゆる観点からサステナビリティが高いです。バイネームで自社でヘッドハントしようと意思決定している企業は、まず最初に検討したほうがいいです。
永井:バイネームでアプローチすることにまだ取り組んでいない企業も多いと思います。バイネームで誰かわかると、スカウトの文面も打ちやすく、「あの記事見ました」と一言付け加えるだけでアプローチの確度が上がります。あとはマチュリティの高い人を求めている企業にも向いていると思います。ビジネスSNSをやっている方は昔から登録しているマチュアな層が多いので、そのような方を探している企業にもおすすめです。
取材・執筆:新國翔大
撮影:伊藤智哉