M&A仲介を主軸に、営業支援・BPO、プリンシパル投資を展開する株式会社NextDeal。代表の大林浩氏は証券会社の出身で、自らも事業経営と事業売却を経験してきた当事者です。公認会計士の役員とともに、大手品質のサービスを適正な価格で提供することを掲げています。M&A仲介の起点は、売り手となる経営者との出会いです。
しかし、会社の売却は経営者にとって人生を懸けた決断であり、「今すぐ売りたい」という相談がそう簡単に生まれるわけではありません。これまで大林様個人の人脈に頼ってきた売り手開拓を、どう仕組みにしていくか。その手段のひとつとして導入したのが、セールスAIプラットフォーム「XAION Sales」です。
売却の話が持ち上がる前から経営者と出会い、関係を育てていく。M&Aという業界ならではの時間軸の中で、XAION Salesをどう活用しているのか。大林様に話を聞きました。
──NextDeal様の事業内容を教えてください。
大林:売上の7〜8割がM&A仲介です。残りは営業支援やBPOといった付帯サービスで、経理などのアウトソーシングや営業のサポート、コンサルティングを手がけています。これらは、将来買い手になってくださる企業へのサポートという位置づけでもあります。加えて、小規模ながらプリンシパル投資にも取り組んでいます。売り手を探す中で「これは面白そうだ」と感じた案件に、自分たちで投資して再生させる、という形です。
──その中でも、M&A仲介に注力されているのはなぜですか?
大林:M&Aは、人と人とのつながりが大きく物を言う仕事だからです。売り手の経営者とは、命や子どもと同じくらい大事にしてきた会社や事業を手放す、という話をするわけですよね。大手の仲介会社ではなく、まだよく知らない会社の、よく知らない自分に「お願いします」と言っていただくには、何より安心感が欠かせません。
自分自身、通販事業を経営していた頃に、資金繰りが本当に苦しい時期を経験しました。最終的には事業を売却し、M&Aを当事者として経験しています。だからこそ、売り主の社長の気持ちがよくわかる。そこが私たちの強みだと思っています。
──M&Aの中でも、特に向き合っている領域はありますか。
大林:M&Aが起きるパターンは、大きく分けて3つしかないと考えています。スタートアップがイグジットするとき、後継者がおらず事業承継をするとき、そして資金繰りが苦しいとき。私たちが主に向き合っているのは、3つ目の、赤字や債務超過に苦しむ会社です。
こうした会社には早くキャッシュ化したいという事情があるため、条件がまとまりやすく、スピードも出やすい。一般的に平均の成約期間は9〜12カ月と言われますが、私たちの場合はおよそ90日です。
──XAION Salesを導入する前は、大林様ご自身の人脈を生かし、ご紹介を中心に売り手を開拓されていたと伺いました。新たな手段を検討されたきっかけを教えてください。
大林:M&A仲介では、会社を売る案件、いわゆる「マンデート」を得ることがすべての起点になります。そのためには、まず経営者との接点、つまりリードが必要です。それをどう獲得するかを考えていました。テレアポは、時間がなくてできませんでした。それに、代表者ではない営業担当者が売り手のリードを獲得するのも、やはり難しいんですよね。会社の売却という話の性質上、経営者は相手が誰なのかをよく見ていますから。
──M&Aならではの、開拓の難しさもあるのでしょうか。
大林:M&Aは、すぐには話が進まないんです。初めて会った相手に「会社を売りますか?」と聞いて、「売ります」とはならないですよね。どんな手段で出会ったとしても、結局、出会ったそのタイミングで売るわけではないんです。
──XAION Salesを導入した決め手を教えてください。
大林:M&Aは人と人とのつながりの仕事なので、経営者と直接接点を持てることが一番大きかったですね。XAION Salesなら経営者と出会える機会が多いと聞いて、始めることにしました。
──導入後、どのような相手との接点が生まれていますか。
大林:代表者の方が多いですね。規模の大きな会社の方にもお会いしています。たとえば、大阪で最大規模のタクシー会社の副社長とお会いし、対面で面談もしました。M&Aの具体的な話になったわけではありませんが、普通ではなかなかお会いできない方と、このサービスを通じてつながれたのは大きかったと思います。
──経営者とお会いした際は、どのような話をされるのでしょうか?
大林:自分から「M&Aをしませんか」という話はしません。まず相手の事業の話を伺って、そこで接点を見いだし、「またやりとりしましょう」という関係をつくっていきます。
実際、当初はまったく売却の話ではなかったのに、話をしていくうちにそうした流れになり、仲介契約をいただいたケースもありました。
──M&A仲介以外の文脈で、可能性を感じる出会いもありますか。
大林:お会いする方の中には、AIや人材教育、採用支援などの事業を少人数で営んでいる社長も多いんです。そうした方は、今の自分のM&A仲介の対象としては難しいかもしれません。ただ、営業支援やBPOといった切り口であれば、ご一緒できる可能性があると思っています。それから、経営者の友人はたいてい経営者です。
「業績が厳しいから会社を売ろうかな」「別のことをやりたいから売却しようかな」といった相談が、友人同士で交わされることもあるはずなんです。
そこで、業務委託契約を結んで案件をご紹介いただく形も取り入れています。実際に、そうしたご紹介から生まれた案件もあります。
──接点が増える中で、活動の進め方に変化はありましたか?
大林:以前は「導入したからには元を取らなければ」と思って、いろんな人にお会いしていました。でも、それではかえって時間を無駄にしていると感じるようになって。今は日程調整の段階で相手の状況を見て、規模が大きく、ご一緒できる可能性が高そうな方を優先するようにしています。
──XAION Salesを、どのような位置づけで活用していきたいとお考えですか。
大林:リードの獲得に、あまり負荷をかけるべきではないと考えています。本当に時間をかけるべきなのは、案件を獲得し、マッチングさせて成約に導くところ。つまり、仲介としての交渉です。それ以外の部分は、AIや仕組みを活用した方がいい。
最後にサインをする、条件を交渉する、金額を詰める。人と人との希望や条件がぶつかり合う場面は、AIに置き換えられるものではなく、人が担わなければならないと思っています。
──最後に、今後の展望とXAION Salesへの期待を教えてください。
大林:世の中にM&A仲介会社はたくさんありますし、手数料が高いというイメージもあると思います。その中で私たちが強みとしているのは、自分自身が証券会社出身の経営者であり、当事者としてM&Aを経験し、赤字や債務超過の中でも経営を続けてきたことです。この営業面の強みに、公認会計士である役員の専門性を掛け合わせることで、大手品質のサービスを適正な価格で提供できると考えています。
私たちの経営理念は「期待を超える」ことです。自分自身たくさん失敗してきたので、収益性の高いビジネスをやらなければいけないと思っています。人をむやみに増やさずに高収益な体制をつくるためにも、XAION Salesのようなサービスやシステムを活用して出会いを広げ、それを案件化することに注力していきたいですね。結局、M&Aは人と人との出会いです。さまざまな出会いを通じて、可能性を模索していきたいと思っています。