必要な人材に十分会えていないとき、求人媒体やエージェントを追加することは有効です。ただし、採用経路を増やすことと、本当に必要な人を見つけられることは同じではありません。まず確認したいのは、今使っている経路で見える人だけを前提にしていないかです。
コンテキスト採用とは、本当に必要と思える人を採用市場の内外から見つけ、データを元に真摯に向き合う採用手法。それを可能にするのが、人物データの構造化です。
ここでいう「採用市場の内外から見つける」とは、市場の外にいる人を探すこと自体を目的にするものではありません。本当に必要と思える人を起点に人物データから探すことで、転職サービスへの登録有無を、人を探す際の前提にしなくなるという意味です。
本記事では、コンテキスト採用の考え方を起点に、採用経路ごとに見つけられる人の違い、人物データを発見の手がかりとして使う方法、過去の候補者や公開情報を検索可能な状態にする意味を整理します。
<この記事でわかること>
- 必要な人材に会えていないとき、何を見直すべきか
- 「採用市場の内外から見つける」とは何を意味するか
- 採用経路ごとに、見つけられる人と接点のつくり方がどう異なるか
- 人物データの構造化が、候補者の発見にどうつながるか
Index
必要な人材に会えていないなら、今の採用経路で見えている人を確認する
採用活動でまず確認したいのは、候補者の総数ではなく、自社が本当に必要とする人材に十分会えているかです。十分に会えていないのであれば、検索条件や媒体数だけでなく、現在の採用経路でどのような人が見えているのかを確認します。
ポイント:現在の経路で「見える範囲」を把握する
- 要件を満たす人に十分会えているか
- 今の経路にはどのような層が登録しているか
- 今の経路では「リーチできない層」は誰か
重要なのは「候補者数」より「自社要件との合致」
採用の目的は母集団形成ではなく、自社に不可欠な人材との接点作りです。むやみにチャネルを増やす前に、現在の経路で必要な層にアプローチできているかをまず確認しましょう。
チャネルを増やしても、同じ範囲の人を見ていれば変化は小さい
媒体ごとに登録者や得意領域は異なるため、求人媒体を増やすことで新しい人に会えることもあります。ただし、複数のサービスで見えている人の範囲が近ければ、チャネルを増やしても出会える人は大きく変わりません。追加した経路は、採用要件に関係する新しい人を見つけられるようになったかで確認します。
転職サービスへの登録有無で、見える人の範囲は変わる
検索条件を細かくしても、利用しているデータベースに登録されていない人は検索結果に現れません。どの採用経路を使っているかによって、そもそも見える人の範囲が変わると捉えることが重要です。
採用市場の内外から本当に必要と思える人を見つける「コンテキスト採用」
コンテキスト採用で変わるのは、候補者の探し方です。求人媒体やエージェント、過去の接点、公開情報を「市場の内外」で先に分けるのではなく、採用要件に関係する手がかりから人を発見します。
所属、役割、職務経歴、保有スキル、プロジェクト、登壇、執筆、過去の接点などの人物データは、採用要件に関係する経験やスキルを持つ人を見つけ、誰にアプローチするかを考えるための判断材料になります。人物のすべてを判断するためのものではなく、まず接点を持つ人を見つけるために使います。
コンテキスト採用で押さえる2つの前提
- 必要な人を起点に、見つける手がかりを決める
- 人物データを、誰にアプローチするかの判断材料にする
必要な人を起点に、見つける手がかりを決める
まず、任せたい役割と、その役割に関係する経験やスキルを整理します。そのうえで、所属、職務経歴、保有スキル、プロジェクト、登壇、執筆、過去の接点など、どの情報が人を見つける手がかりになるかを考えます。必要な人を起点にすることで、特定の採用チャネルにいる人だけを前提にせず候補者を見つけられます。
人物データを、誰にアプローチするかの判断材料にする
人物データから、採用要件に関係する経験やスキルがあるかを確認し、誰に接点を持つかを考えます。ここで増やしたいのは候補者の評価項目ではなく、接触前に確認できる情報です。確認できる事実をもとに、アプローチ候補を見つけるための判断材料として使います。
採用経路によって、見つけられる人と接点のつくり方が異なる
求人媒体、エージェント、過去の接点、公開情報は、優劣で比べるものではありません。それぞれ見つけやすい人と、接点をつくるまでの進め方が異なります。
それぞれの経路で何が見え、どのように接点が生まれるかを整理すると、現在の採用活動で見えていない範囲を特定しやすくなります。
採用対象へ届く4つの経路
- 求人媒体:転職サービスに登録し、自ら情報を探している人
- エージェント:転職意向や希望を伝え、支援を受けている人
- ATS・タレントプール・リファラル:過去または現在の接点がある人
- 公開情報からの発見:転職サービスへの登録有無にかかわらず、Web上の経歴や発信から見つかる人
求人媒体・エージェントでは、転職行動を起こしている人と接点をつくる
転職サービスへの登録やエージェントへの相談など、すでに転職行動を起こしている人に対しては、希望条件や活動状況を踏まえながら接点をつくれます。採用要件を満たす人に十分会えているかを確認しながら活用します。
過去の候補者は、新しい採用要件から探し直す
ATSやタレントプールにある過去の候補者も、新しい採用要件に照らして見直すことで、再び候補になり得ます。以前は別のポジションで接点を持った人でも、現在の役割や経験と照らせば、別の採用機会につながることがあります。
ここで重要なのは、ATSやタレントプールの運用方法そのものではなく、過去に接点を持った人も「必要な人を発見するための情報源」になり得るという点です。
公開情報から、これまで接点のなかった候補者を見つける
企業サイト、プロジェクト事例、登壇記録、寄稿記事、SNSなどの公開情報からは、転職サービスへの登録状況とは別に、現在の役割や活動を確認できます。これまで接点のなかった人を発見する経路として使えます。
人物データを構造化すると、複数の情報源から人を見つけやすくなる
人物データが複数の場所に散らばったままだと、情報源をまたいだ検索が難しくなります。構造化の目的は、過去の接点や公開情報を同じ人物・同じ項目でたどれるようにし、採用要件に応じて探せる状態をつくることです。
人物データを構造化する3つの観点
- 複数の情報が同一人物に関するものかを確認する
- 所属・役割・経験・スキルを共通の項目にそろえる
- 情報源と確認時点を保持し、更新や照合ができるようにする
同じ人物に関する情報を結びつける
過去の応募情報と現在の公開情報が別々に存在していても、同じ人物の情報として結びついていなければ横断して探せません。同一人物に関する情報をまとめることで、過去の接点と現在の所属・役割・スキルを一続きに確認しやすくなります。
※なお、複数の情報源をまとめて同一人物の情報として管理する場合は、それぞれの情報の取得元と取得時点、そして社内での利用目的の範囲をあらかじめ決めておく必要があります。応募を受け付けた際に示していた利用目的の範囲を超えて利用する場合は、利用目的の変更や本人への通知・公表などの対応が求められます。
検索に使う項目と情報源をそろえる
所属、役割、経験、スキルなどを共通の項目で整理すると、情報源が違っても同じ条件で検索しやすくなります。あわせて情報がいつ更新されたかを把握しておけば、情報が古くなったときの更新や事実確認もしやすくなります。
【CTA:XAION HR 製品ページ】
XAION HRは、「採用市場の内外から本当に必要と思える人を見つける」というコンテキスト採用の考え方を、実務で実践するための採用AIプラットフォームです。1,000万人を超えるプロファイル情報と530万社以上の企業情報を統合し、従来の採用データベースでは見つからなかった人材も横断的に検索できます。具体的な探し方や機能は製品ページでご確認ください。
自社の採用経路を3つの問いで確認しよう
ここまでの内容を自社に当てはめるなら、最後に次の3点を確認します。3つの問いに答えることで、今の採用経路だけで必要な人材に会えているかを確認できます。
<採用経路を見直す3つの問い>
- 必要な人材を見つける手がかりを言語化できているか
- 現在どの経路から候補者を見つけているか説明できるか
- 必要な人が見えていない場合、別の情報源から見つけられるか
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を目的とするものではありません。個別の運用については専門家にご確認ください。
