リードが足りないとき、SEO、広告、展示会、ウェビナー、テレアポなど、新しい施策を増やすことから考えてしまいがちです。しかし、同じ施策でも、誰に届けるか、どのような価値を提供するかによって、得られる反応やその後の商談化の状況は異なります。
広告による認知だけで、必ずしも資料請求や問い合わせが発生するわけではありません。見込み顧客が次の行動を取る理由となる情報や機会も必要です。反対に、有益な資料を用意しても、それを必要とする人へ届けられなければ利用されません。
そこで本記事では、「誰との接点を増やすか」「相手が反応する理由として何を提供するか」「どう届けるか」「自社で実行できるか」の順に、代表的なリード獲得方法を比較します。
施策を選ぶ前に、次の3つをつなげて考えます。
・対象:誰との接点を増やしたいか
・反応する理由:相手にどのような価値を提供するか
・接点のつくり方:その相手へどのように届けるか
さらに、自社に合う施策を選ぶ際は、必要な費用・工数・運用体制などの実行条件を確認します。
たとえば、情報収集中の営業企画担当者との接点を増やすなら、実務ガイドや調査レポートを用意し、SEOや広告などで届ける方法が考えられます。
「SEOとホワイトペーパーのどちらを選ぶか」という比較は適切ではありません。SEOは情報を見つけてもらう方法の一つで、ホワイトペーパーは相手が資料を受け取りたいと思う理由をつくるものだからです。一方、ウェビナーのように、参加する価値を提供しながら参加登録が接点にもなる施策もあります。
厳密な分類より、「誰に、何を、どう届けるか」がつながっているかを確認します。
つては主流だった営業手法も、環境の変化とともに通用しにくくなってきています。特に日本の営業現場では、次の3つの“限界”が大きな障壁となっています。
見込み顧客に自社を知ってもらうだけでは、必ずしもリードにはなりません。資料をダウンロードする、セミナーへ申し込む、デモを依頼するといった次の行動を起こす理由が必要です。本記事では、そのために提示する価値を「オファー」と呼びます。
<代表的なオファー>
・ホワイトペーパー、調査レポート、チェックリスト
・事例資料
・ウェビナー、セミナー
・無料体験、デモ
・診断、個別相談、見積もり
情報収集中の相手なら課題整理や選定基準に役立つ資料、具体的な検討に進んでいる相手なら事例、デモ、無料体験、相談などが候補です。形式から決めるのではなく、その時点で相手が何を知りたいか、何を確かめたいかから考えます。
相手の検索や普段の情報収集行動から、自社を見つけてもらう方法です。
SEO・オウンドメディアでは、見込み顧客が検索する課題、方法、比較軸などをコンテンツとして公開します。
確認したいのは、自社が会いたい相手が検索しているテーマがあるかです。対象者が継続的に検索するテーマがある場合、関連する記事を制作・改善することで、検索経由で自社を見つけてもらう接点を増やせる可能性があります。ただし、安定した流入にはコンテンツの制作・改善が必要です。
※参考:Google 検索セントラル「SEO スターター ガイド」
https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide?hl=ja
検索広告も検索している相手へ届ける方法ですが、広告費を使って検索結果へ露出できます。キーワード、広告文、LP、オファーなどの条件を分けることで、どの組み合わせで反応が得られたかを確認できます。
広告経由の流入を維持するには継続的な広告費が必要です。SEOを「長期」、検索広告を「短期」とだけ分けず、検索から見つけてもらえる経路を蓄積するのか、検索需要へすぐアクセスして仮説を試すのかという役割の違いで考えます。
SNS広告やディスプレイ広告では、各媒体が提供する配信条件を利用し、明確な検索行動がまだ表れていない層にも情報を表示しやすいです。
対象となる業界や職種の仮説がある場合や、まだ課題名・製品カテゴリを検索していない人へ届けたい場合に候補になります。対象や訴求が完全に固まっていなくても、複数の仮説を比較する用途に使えます。
SNS発信が直接リード獲得につながるとは限りません。指名検索、記事閲覧、ウェビナー申し込みなど、他の接点も含めて役割を確認します。誰が、どのテーマについて、誰に向けて発信するのかを定め、継続できる体制が必要です。
比較サイトや業界メディアでは、その媒体が持つ読者との接点を利用できます。媒体の知名度だけでなく、「誰が何を目的に読んでいるか」「自社が会いたい相手と重なるか」を確認します。
自社が接触先を決めてアプローチする方法です。電話やメール・DMに加え、SNSを営業活動に活用するソーシャルセリングも選択肢になります。
電話は、対象企業や部署へ直接連絡する方法です。連絡先情報の取得・利用にあたっては、自社の個人情報の取扱いルールを確認します。また、相手から今後の連絡を希望しない旨の申し出があった場合に、記録・停止できる運用を整えておきます。誰へ連絡するかが曖昧なまま件数だけを増やさないために、対象企業、部署・役割、連絡する理由を整理してから実施します。
メールやDMでは、相手が自社からの連絡を待っていない可能性を前提に、「なぜ連絡したのか」「相手にどのような情報を提供できるのか」が分かるようにします。文面だけを先に作るのではなく、対象と接触理由をセットで考えます。
広告・宣伝を目的とするメールを送る場合は、送信先や送信方法に応じて、特定電子メール法などの関係法令、連絡先を取得した経緯、利用目的、配信停止の方法を確認する必要があります。SNSのDMについても、各サービスの規約と自社の個人情報の取扱いルールを確認してください。
SNS上で特定の企業や人物を探し、公開されているプロフィールや発信を確認しながら接点をつくる方法がソーシャルセリングです。
所属や役割に加えて、本人が公開している関心テーマなどを確認できる場合があり、誰に連絡するか、なぜ連絡するかを考える材料になります。ただし、SNSの利用状況や公開情報は人によって異なります。
※公開されている情報であっても、営業目的で自由に利用できるとは限りません。個人情報に該当する場合は、利用目的、取得元、取得時点を確認し、営業判断に必要な範囲に限って扱います。各SNSの利用規約も確認してください。
【関連記事】「SNS営業」は本当に成果につながる? 0から始める実践ガイド
電話、メール、SNSは接触方法こそ異なりますが、自社が相手を選んでアプローチする点は共通しています。対象条件に合う企業か、どの部署・役割の人物へ接触するか、その人物についてどのような情報を確認できるかも、接触候補や優先順位を考える材料になります。
【関連記事】営業リストの質とは。見込み顧客の優先順位を決める4つの情報
XAION Salesでは、企業・人物情報をもとに接触候補を探し、SNSや電話などを使ったアプローチにつなげる営業活動を支援しています。利用できる情報や活用方法を知りたい方は、サービス紹介資料をご覧ください。
比較サイトや業界メディアでは、その媒体が持つ読者との接点を利用できます。媒体の知名度だけでなく、「誰が何を目的に読んでいるか」「自社が会いたい相手と重なるか」を確認します。
展示会やカンファレンスでは、特定の業界やテーマに関連する催事へ来場した人と直接会話できる機会があります。評価するときは名刺枚数だけでなく、対象企業だったか、どのような役割の人だったか、何に関心を示したか、会期後の連絡や商談につながったかを確認します。
展示会後の具体的なフォロー方法は別記事で扱います。
ウェビナーやセミナーでは、参加したいと思うテーマを設定し、参加登録から接点をつくります。参加する価値そのものがオファーになり、対象者が知りたいと考えられるテーマを設定し、参加登録を通じて新しい接点を得る方法です。
業界動向、新しい取り組み、実務ノウハウ、事例などもテーマになります。開催するだけでは参加者は集まらないため、検索、広告、SNS、メールなどで開催情報を届ける方法も必要です。
既存顧客、取引先、販売パートナーなどから見込み顧客を紹介してもらう方法です。被紹介者にとって、関係のある企業や知人からの紹介が、情報を確認するきっかけになる場合があります。
紹介件数を自社だけで調整することは難しいため、どのような企業を紹介してほしいか、どのような課題なら相談してほしいか、紹介後に誰が対応するかを整理しておきます。
※電話番号、メールアドレス、SNSプロフィール、所属・役職など、個人を識別できる情報は個人情報に該当する場合があります。公開情報を利用する場合も、利用目的、取得元、取得時点を確認し、自社の個人情報の取扱いルールと各媒体の規約に沿って、営業活動に必要な範囲で利用してください。本人から確認・訂正・利用停止などの申し出があった場合の対応方法も決めておきます。
代表的な方法を整理すると、次のようになります。
|
方法 |
主な接点のつくり方 |
成立する主な条件 |
主な費用・工数 |
|
SEO・オウンドメディア |
検索から見つけてもらう |
対象者が検索するテーマがある |
コンテンツ制作・改善 |
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検索広告 |
検索結果へ広告表示 |
関連する検索行動がある |
広告費・LP改善 |
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SNS・ディスプレイ広告 |
属性・関心などから届ける |
対象像の仮説がある |
広告費・制作 |
|
SNS発信 |
継続発信から知ってもらう |
発信テーマと運用主体がある |
制作・運用 |
|
比較サイト・業界メディア |
媒体の読者へ届ける |
読者と対象顧客が重なる |
掲載費・素材 |
|
電話 |
対象へ直接連絡する |
企業・部署を特定できる |
人員・リスト |
|
メール・DM |
対象へ直接送る |
接触先と連絡理由がある |
リスト・文面・運用 |
|
ソーシャルセリング |
SNS上の人物へ接触する |
対象者をSNS上で確認できる |
対象調査・運用 |
|
展示会・カンファレンス |
来場者と直接会う |
対象者が来場する催事がある |
出展・準備・人員 |
|
ウェビナー・セミナー |
参加登録から接点を得る |
参加価値のあるテーマがある |
企画・制作・集客 |
|
紹介・パートナー |
既存の関係から紹介を受ける |
紹介元との関係がある |
関係構築・連携 |
この表は「最も優れた施策」を決めるものではありません。自社が会いたい相手との接点をつくれるか、成立条件を満たしているかを確認し、候補を絞るために使います。
<リード獲得方法を選ぶ4ステップ>
1. 増やしたいリードを決める
2. 相手が反応する理由を決める
3. その相手へ届けられる方法を選ぶ
4. 費用と工数を確認する
業種、企業規模、部署、担当者の役割、想定する課題などを整理し、「誰との接点を増やしたいか」を説明できる状態にします。ここでは詳細な営業リスト作成までは扱いません。
情報収集中なら資料、具体的な判断材料が必要なら事例やウェビナー、自社で使えるか確かめたいならデモや相談などが候補です。形式ではなく、相手が必要としている価値から決めます。
・課題や方法を検索している → SEO・検索広告
・属性や関心から捉えられる → SNS・ディスプレイ広告
・企業や人物を特定して接触できる → 電話・メール・ソーシャルセリング
・対象者が集まる催事がある → 展示会・カンファレンス
・紹介可能な関係がある → 紹介・パートナー
一つに限定する必要はなく、検索広告からウェビナーへ集客するなど、複数の方法を組み合わせる場合もあります。
特定の企業群を対象にマーケティングと営業の活動をまとめて設計する場合は、ABMとして目的、対象、体制、評価方法まで整理します。
【関連記事】ABMとは?始める前に決める4つのこと
最後に、その候補を継続して実行できるか確認します。主な項目は、許容できる顧客獲得コスト、広告費や制作費、コンテンツ制作・営業対応の工数、獲得後に対応できる件数です。
リードを獲得できても、費用が許容範囲を超えたり、その後の対応が追いつかなかったりすれば継続できません。
施策を始めた後は、「SEOで何件」「広告で何件」とリード数だけで判断しません。同じ検索広告でも、資料DLへ誘導する場合と個別相談へ誘導する場合では、相手に求める行動が異なります。
そのため、「誰に、何を、どの方法で届けたか」をセットで記録します。
対象業種、企業規模、部署・役割など、自社にとって有効なリードの条件を決めます。条件を細かくしすぎるのではなく、施策によって「有効」の意味を変えないことが重要です。
最低限、「リード数 → 有効リード率 → 商談化率」まで確認します。費用も単純な1リード当たりの金額だけでなく、有効なリードを得るためにどれだけかかったかを確認します。受注まで追跡できる場合は、その先も含めて判断します。
SEOと電話を開始1週間後のリード件数だけで比較しても、適切な判断にはなりません。施策ごとに、どの期間実施するか、途中で何を見るか、何をもって継続・改善を判断するかを事前に決めます。
リード獲得で重要なのは、施策の種類を増やすことではありません。「誰との接点を増やしたいか」「相手が何なら反応するか」「どう届けるか」「自社で継続できるか」を整理し、結果が出なければ、どこを見直すべきかを切り分けます。
特に、自社から企業や人物を探してアプローチする場合は、接触手段だけでなく、接触候補を考えるための情報も重要です。
XAION Salesで利用できる企業・人物情報や、SNS・電話などを含む営業活動への活用方法を知りたい方は、サービス紹介資料をご覧ください。