求人媒体への掲載やダイレクトスカウトに加えて、SNSを採用活動に取り入れる企業が増えています。SNSは、公開情報から候補者を探したり、個別にアプローチしたり、採用情報を発信したりする場として活用できます。
もっとも、求人媒体、ダイレクトスカウト、SNS採用では、候補者との接点のつくり方が異なります。重要なのは、自社がどのような人と、どの段階で接点を持ちたいのかを整理し、チャネルを使い分けることです。
本記事では、SNS採用の特徴と他の採用手法との違いを整理したうえで、自社で始める場合に決めておきたいポイントを解説します。
<この記事でわかること>
- SNS採用・ソーシャルリクルーティングとは何か
- 求人媒体・ダイレクトスカウトとの役割の違い
- SNS採用が向いているケース
- SNS採用を始める前に決めること
Index
SNS採用とは、SNSを通じて候補者との接点をつくる採用手法
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは、SNSを採用チャネルとして活用し、候補者の発見・接触や採用情報の発信につなげる採用手法です。仕事内容や職場、募集背景などの採用情報を発信する使い方と、SNS上の公開プロフィールなどを手がかりに候補者を探して個別にアプローチする使い方があります。
採用広報・採用ブランディングと重なる領域もありますが、本記事では、タイトルの「潜在層に届く設計」に合わせ、候補者の発見と個別接点づくりを中心に扱います。
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求人媒体・ダイレクトスカウト・SNS採用は、接点のつくり方が異なる
求人媒体、ダイレクトスカウト、SNS採用では、候補者と出会う起点が異なります。それぞれの役割は次のように整理できます。
求人媒体:
候補者が求人を探すことを起点に、企業が求人を掲載して応募を受ける。求人を探している人から応募を集めたい場面に向いています。
ダイレクトスカウト:
登録データベースから企業側が候補者を探し、条件に合う登録者へ声をかける。企業側から候補者を探して接点を持ちたい場面に向いています。
SNS採用:
SNS上の公開情報やネットワークを起点に候補者を探し、個別に接点をつくる。採用サービスへの登録有無にかかわらず接触候補を広げたい場面に向いています。
求人媒体には、求人を探している人が仕事内容や条件を比較し、そのまま応募できるという分かりやすさがあります。
ダイレクトスカウトでは、企業側から条件に合う候補者を探してアプローチできます。応募を待つだけではなく、企業側から接点をつくれることが特徴です。
SNS採用では、SNS上の公開プロフィールなどを手がかりに候補者を探し、個別にアプローチできます。採用サービスの登録データベースとは異なる範囲から接触候補を探せる点が特徴です。
SNSを利用していること自体は転職意向を意味しません。公開情報は、接触候補を発見し、誰にアプローチするかを考える材料として使います。
【関連記事】転職市場にいない人材はどこにいるのか。コンテキスト採用の前提
SNS採用では、SNS上で候補者を探し、個別の接点をつくれる
潜在層への接点づくりを目的にSNS採用を行う場合、中心になるのは「誰を探すか」と「どう接触するか」です。SNSを情報発信の場として使うだけでなく、候補者探索と個別アプローチのチャネルとして設計します。
具体的には、次の3点を設計します。
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採用サービスへの登録有無にかかわらず、SNS上の公開情報などから接触候補を探す
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職種・経験・スキルなど、採用要件に関わる情報をもとに接触候補を整理する
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SNSのメッセージ機能などを使い、候補者ごとに個別の採用コミュニケーションを始める
SNS上の公開情報を候補者探索の手がかりにできる
SNS上のプロフィールには、職種や経歴、スキル、本人が公開している発信内容など、候補者を探す際の手がかりになる情報があります。
こうした公開情報を採用要件と照らし合わせることで、誰にアプローチするかを考える材料を増やせます。ただし、SNS上の情報だけから転職意向や適性、カルチャーフィットを断定するものではありません。
SNS採用では、公開情報を候補者評価の代わりに使うのではなく、接触候補を発見し、アプローチ先を考えるための情報として扱います。
候補者へ個別にアプローチできる
SNSでは、候補者自身のアカウントを通じて個別に連絡できる場合があります。
一斉に求人を告知するのではなく、なぜその人に連絡したのかが伝わる形でメッセージを送り、返信後はカジュアル面談や求人の詳細確認など、次の接点につなげます。
採用情報の発信は、こうした個別アプローチの前後で企業理解を補う役割を持ちます。採用ブランディングとも重なる活動ですが、本記事では候補者探索と個別接点づくりを中心に扱います。
SNS採用を始める前に5つを決める
SNS採用は、アカウントを開設することから始めるのではなく、誰を探し、どのように接点をつくるのかを決めてから使用するSNSを選ぶと設計しやすくなります。
<SNS採用を始める5ステップ>
1. SNSを使う目的を決める
2. 接点を持ちたい人を整理する
3. 使用するSNSを決める
4. 個別アプローチから次の接点を設計する
5. 運用担当と見る指標を決める
STEP1|SNSを使う目的を決める
最初に「SNS採用を始める」ではなく、SNSで何を実現したいのかを決めます。
たとえば、特定職種の候補者を探したい、採用サービスに登録していない人とも接点を持ちたい、個別アプローチからカジュアル面談につなげたい、優秀な人材との接点を早期に構築しておきたい、といった目的が考えられます。採用広報を目的とする場合は、発信内容や認知指標を別に設計します。
目的が曖昧なままだと、候補者探索と情報発信が混ざり、何を成果として見るのかも曖昧になります。
STEP2|接点を持ちたい人を整理する
次に、誰との接点を増やしたいのかを整理します。
職種、経験、スキル、勤務地など、採用要件と関係する条件を確認します。
ここで決めるのは「どのような人と接点を持ちたいか」であり、SNS上の情報だけで候補者の適性やカルチャーフィットを評価することではありません。
STEP3|対象と運用方法に合うSNSを選ぶ
SNSによって、利用者層や公開プロフィールで確認できる情報、個別コミュニケーションの仕組みなどは異なります。
単純に利用者数だけで決めず、接点を持ちたい人が利用しているか、採用要件に関わる公開情報を確認できるか、個別のコミュニケーションが可能か、自社で継続運用できるかを確認します。
SNSの機能や利用規約は変更されるため、実際に運用を開始するときは各サービスの最新の公式情報も確認します。
STEP4|個別アプローチから次の接点を設計する
SNS上で候補者を見つけても、接触方法と次の行動が決まっていなければ採用活動にはつながりません。
誰がメッセージを送り、返信後に誰が対応し、カジュアル面談や求人の詳細確認へどうつなぐかまで決めておきます。
最初から応募を求めるのではなく、相手の状況に応じて情報提供や面談など次の接点を選べるようにします。
※なお、候補者に具体的な求人を提示する段階では、業務内容や労働条件などの明示が必要になります。2024年4月以降は、就業場所と業務の変更の範囲についても明示が求められます。メッセージ内で伝えきれない場合は、明示事項を確認できる求人ページなどを案内します。
STEP5|運用担当と見る指標を決める
最後に、誰が運用するのかを決めます。
候補者探索、メッセージ送信、返信対応、採用担当への引き継ぎを誰が担うかまで整理しておくと、個別アプローチの運用が止まりにくくなります。
成果を見る際は、フォロワー数ではなく、接触候補数、アプローチ数、返信、面談など、採用活動につながる接点を確認します。情報発信を行う場合は、その認知指標とは分けて管理します。
SNS採用は、他の採用チャネルと組み合わせて設計する
求人媒体、ダイレクトスカウト、SNS採用では、候補者との接点のつくり方が異なります。
SNS採用を設計するときの起点は、どの候補者と、どの段階で接点をつくりたいかです。
まず、誰との接点が不足しているのか、どの段階で接点をつくりたいのか、その役割をどのチャネルに持たせるのかを整理します。
求人を探している人から応募を受けるなら求人媒体、登録データベースから企業側が候補者を探すならダイレクトスカウト、SNS上の公開情報を手がかりに候補者を探し個別に接点をつくるならSNS採用というように、目的に応じて組み合わせることができます。
SNSを活用した採用のなかでも、候補者を探し、個別にアプローチする工程を仕組み化したい場合は、専用のサービスを活用する方法もあります。
XAION HRは、WebやSNS上の公開情報をもとに候補者を探し、個別のスカウトによる接点づくりを支援する採用サービスです。XAION HR経由でSNSへ求人を掲載するサービスではなく、候補者への個別アプローチを支援する位置づけです。詳細な機能や利用方法は製品ページで確認できます。
SNS採用を検討するときは、まず現在の採用チャネルで「誰と、どの段階で接点を持てていないのか」を確認してみてください。その不足をSNSが補えるのであれば、目的と対象を絞ったところから始めると、SNS運用そのものを目的化せず採用活動に組み込めます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を目的とするものではありません。個別の運用については専門家にご確認ください。
